サービス残業がダメな理由
ブラック企業と呼ばれてしまう理由に最も挙げられるのが、サービス残業です。
サービス残業はなぜ駄目でなぜ起こるのかについて簡単に解説していきます。
サービス残業について理解する
サービス残業の定義は以下の通りです。
サービス残業(サービスざんぎょう)とは、使用者(雇用主)が労働者が行う時間外労働に対し本来支払うべき賃金(日本の場合、労働基準法[一次資料 1]または就業規則(※労働基準法上、同法の規定基準未満としても無効))が支払われない時間外労働の俗称であり、サビ残(サビざん)、賃金不払い残業(ちんぎんふばらいざんぎょう)ともいう。また英語では、「Wage theft」(給料窃盗)などという。雇用主(※会社や役員、管理監督者を含む)がその立場を悪用する、例えば労働者に対して、正規の労働時間を申告しないよう強制させるような例が報告されている。また、始業前に出勤させて始業開始まで時間外労働をさせる「サービス早出」というものもある。
引用元:wikipedia
サービスということですから、英語の苦手な方でもわかりますよね。つまり、無償で労働を行うことです。
会社指示、上司や先輩から、仕事を頼まれて定時時間内に終わらない場合、残業に突入する訳ですが
残業手当てをもらわずに仕事をすることをサービス残業といいます。
これは法律違反です。
サービス残業がなくならない理由
サービス残業はなぜなくならないのか。これには3つのポイントがあります。
会社(経営者)が見て見ぬふりをする
正規の残業であれば、残業代を支払わなければいけません。人件費が掛かります。
コストアップを避けたいのが本音ですから、
残業代を支払わずに労働してもらえることはおおいに助かります。
上司が見て見ぬふりをする
上司、管理者も会社と同じような状況に置かれています。
どこの会社でも人件費がどの部署でどのくらい掛かっているか算出しています。
残業代を支払うのは上司のポケットマネーではありません。
ですが、残業申請を認めてしまえば、その部署のコストは上がり
管理者として評価が下がる、責められる可能性が高いのです。
本人が断れない
残業代が支払われないなら、定時で帰らせていただきます。
こんな強気な発言ができる方はそういません。
上司の目、先輩の目、周囲の目、それらからのプレッシャー、
自分の居場所がなくなるのでないか
という不安、頼まれたら断れない、自分に責任がある。。。と内心不満を持ちながらも
与えられた業務をこなしていってしまいます。
あなたはサービス残業で損をする
説明するまでもなく、サービス残業であれば残業代は発生しません。
しかし、それだけではなく更なる損に繋がっていきます。
次から次へと残業を頼まれる
断りきらずに頑張ったお陰で、無事頼まれた仕事を終えたとしても
サービス残業が横行しているブラック会社ではそれがその時で終わることはありません。
また事あるごとにサービス残業を強いられることになります。
人員の補充や配置転換がされない
サービス残業でまかなわれた作業時間、人件費は計算に含まれません。
その為、この職場は今の人員数で残業なく回せているという判断になります。
回せているのなら、会社は人をあてがう必要はないと考えるでしょう。
そして、その前例があることにより、毎年同じ量以上の業務はこなせるということになるのです。
パフォーマンスが落ちる
もし、今あなたがサービス残業を繰り返していて、それがほぼ毎日だとした場合
限られた時間で最大限のパフォーマンスは発揮できなくなるでしょう。
例えば、終電まで、はたまた会社に泊まる。過去の私もそんな日々を過ごしていました。
それだけ時間に追われているようですが、逆に好きなだけやれるという見方もできます。
定時で終えるスピードを出そうとしなくても、また残ってやればいいと、
実は作業効率が低下していく可能性が高いのです。
会社もサービス残業で損をする
一方で会社側もサービス残業で損をします。
法的リスクがある
ブラック企業についての話題がクローズアップされていることもあり、
弁護士等も未払い残業代請求を支援する打ち出しをしている事務所が増えています。
目先の残業代を支払わなかったせいで、結果大きなロスにつながります。
優秀な人材を失う
多少過酷であっても待遇がよければ喜んで働く社員はたくさんいるでしょう。
ですが、長時間労働が常態化し、残業代も支給しない状況が続いていけば
もっと人間らしく働ける、正当な労働対価を受けられる会社に転職しよう
と思う社員が出て当然です。
特に最近は働き方改革により、多様な働き方を取り入れる大企業も増えていっています。
男性も育児に関わりたいといったイクメンブームもあります。
このような労働環境では、ワーク以外のライフの部分に充実感を得られず人離れにつながります。
会社のイメージダウンになる
今やネットで会社の評判はいくらでも調べられます。
それらの情報全てが正しい訳ではありませんが
転職関連系のサイトにサービス残業を強いられるブラック企業だと書き込まれてしまえば
人材確保も不利になるでしょう。
また、一つ目で法的リスクについても触れましたが、もし社員が過労で命を落としてしまったら
取り返しのつかないことになります。
まとめ
サービス残業は
- サービス残業とは、定時時間外に本来労働に対して支払うべき賃金を支払わずに労働させること
- 会社はコスト上昇回避、上司は評価、本人は責任を感じ言い出せない等によりサービス残業はなくならない
- サービス残業は常態化し、人員が補充されない、あなたのパフォーマンスを下げる
- 会社は法的リスクがあり、優秀な人材の流出やイメージダウンにもなる
さいごに
何気なくやっているサービス残業、あなただけでなく、実は会社も大きな損をしています。
残業代を支払う、支払わないに焦点を当てるのでなく、どうすれば業務が効率化されて
社員が最大限のパフォーマンスを発揮出来るのか。
そう言った視点で経営者や管理者が会社を回し、社員も協力していけば結果的に
良い会社に発展していけます。
残業が悪なのではなく、サービス残業が良くないのです。
もしあなたが苦痛に感じているなら、改善を求めるか、転職をして環境を変えましょう。
・サービス残業について理解する
・サービス残業がなくならない理由
・あなたはサービス残業で損をする
・会社もサービス残業で損をする
・まとめ
・さいごに